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ぎらつく銀歯を保険で白くできるって知ってる?費用と方法まとめ

こんにちは、ホワイトエッセンス渋谷歯科医師の田中です。
インスタグラムやSNSが流行となり、以前に比べて写真を撮る機会が非常に増えてませんか?

お口を開けたらキラッと光る銀歯が目立って気になる!でも、どうやって治すのだろう?いくらかかるのだろう?わからない方が非常に多いのではないかと思いますので、今回、費用から方法までわかりやすく説明させていただきます。

ぎらつく銀歯の種類

銀歯には、インレークラウンブリッジといった種類があります。主に保険診療を行った際に、最後の詰め物・かぶせ物で選択します。

いずれも金銀パラジュウム合金と呼ばれる金属を用います。まれに銀合金やアマルガムといった金属を用いた治療を行う場合もありますが、現在では、アレルギーや水銀の問題で、あまり行われなくなりました。

アマルガムの治療を以前にされた方は、除去して他の治療へ変更されることをオススメします。

インレー(銀歯)とは?

インレーは、写真の様に歯の一部分に虫歯があり、削って詰めるという治療になります。

できるだけ歯を削る面積を少なくして詰めます。大人の方の多くは、歯と歯の間から虫歯になります。そのため、歯の横の部分も削る機会が多く、強度的な問題で、保険でも行えるコンポジットレジン(CR)の白い材料を用いる方法もありますが、インレー(銀歯)を選択する場合が多いです。

子供さんの場合は、大人とは違い、咬む面が虫歯になることが多く、銀歯よりもコンポジットレジン(CR)の白い材料を用います。咬む面だけで、横の面を含まないというのが、歯科医師の間でも暗黙の了解となっています。

クラウン(銀歯)とは?

クラウンは、歯を全周に渡り削り、王冠をかぶせるということから、クラウンと呼ばれています。 写真は、前歯から数えて4番目の歯のクラウンになります。保険診療では、通常前歯から数えて4番目以降のクラウンは、銀歯となります。

しかし、2017年4月よりCAD/CAM冠(ハイブリッド削り出し冠)が保険でも認めれ、届けを提出した歯科医療機関で、このかぶせ物ができるようになりました。

ブリッジとは?

歯を失った場合に、両隣の歯を削って橋渡しするので、ブリッジと呼ばれます。保険の場合は、橋渡しするのに強度的な問題をクリアするために、銀歯を用います。

保険外の自費のブリッジは、白いセラミックを金属の上に盛り上げたり、ジルコニアという非常に強度のあるセラミックス材料を用いたり、様々な製品が出来上がっています。

インレー(銀歯)を白くする方法

インレー(銀歯)を白くするには、保険と自費診療があります。インレー(銀歯)を保険で白くするには、コンポジットレジン(CR)という方法があります。

インレー(銀歯)を自費診療で白くするには、セラミックインレーダイレクトボンディングという2つの方法があります。他にも材料により別の方法がありますが、大きく分けるとこの3種類の治療法がメインとなります。

コンポジットレジン(CR)とは?

いわゆるプラスティックになります。子供のプラスティクのコップなどをイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。

詰めた時は、きれいであるために、問題なく機能しますが、問題は、強度になります。プラスティックは、天然の歯に比べると柔らかいために、削れる・かける・変色・着色するという傾向があります。保険が効き価格が安いために、重宝される材料ですが、虫歯や歯周病の原因となる可能性が高いです。

コンポジットレジン(CR)診療の流れ

■1日目
1.麻酔をします。
2.銀歯を除去します。
3.接着剤を塗布します。
4.コンポジットレジン(CR)を盛り付けます。
5.形を整えて研磨します

セラミックインレーとは?

セラミックは、いわゆる陶材ですね。お茶碗や湯のみなどをイメージしていただければわかりやすいかと思います。

プラスティックと違い変色着色は、起こりにくいです。お茶碗や湯のみも使用していても着色することは、稀だと思います。歯科業界においても昔から多く用いられている材料になります。

デメリットとしては、強い衝撃に弱いです。お茶碗や湯のみも床に落としてしまうと割れてしまいますよね。セラミックも同じ様に、強い衝撃に弱いです。しかし、お口の中で強い衝撃を受けることは、通常の生活では少ないのですが、歯ぎしりや食いしばりにより、割れたりかけたりすることはあります。

セラミックインレー診療の流れ

■1日目
1.麻酔をします。
2.銀歯を除去します。
3.型を採ります。
4.咬み合わせを採ります。
5.歯のお色味を写真に撮ります。
6.仮フタをします。

■2日目
1.仮フタを外します。
2.セラミックの適合を確認します。
3.セラミックをセメントでつけます。
4.咬み合せの調整します。
5.研磨をします。

ダイレクトボンディングとは?

ダイレクトボンディングは、ハイブリッドセラミックレジンを直接患者さんのお口の中で盛り上げて仕上げていく方法です。

ハイブリッドセラミックレジンは、コンポジットレジン(CR)に比べて、硬化剤が多く含まれているので、天然の歯に硬さが近いです。そのため、強度の面において、割れにくい、欠けにくいというメリットが保険のコンポジットレジン(CR)よりもあります。

また、お口の中で直接、治療を行うことができますので、間接的に型採りを行い、後日セットする方法に比べて、診察回数が少ないというメリットがあります。デメリットとしては、お口の中で作業をしますので、ドクターの技術が問われる部分になります。

ダイレクトボンディングの診療の流れ

■1日目
1.麻酔をします。
2.銀歯を除去します。
3.接着剤を塗布します。
4.ハイブリッドセラミックを盛り付けます。
5.形を整えて研磨します。

インレー(銀歯)を白くする費用

インレー(CR インレー(セラミック) インレー(ダイレクトボンディング)
保険or自費 保険 自費 自費
費用 約4,000円 3〜50,000円 2〜50,000円
見た目 普通 非常に良い 良い
強度 弱い 良い 普通
精度 普通 良い 非常に良い
回数 1回 2回 1回

1)インレー(CR:初診・検査約3,200円+コンポジットレジン(CR)約1,080円=約4,280円
※保険のコンポジットレジン(CR)の費用は、患者さんの保険負担割合や検査の種類により、費用が変化する場合があります。

2)インレー(セラミック):30,000円〜50,000円
自費のセラミックインレーは、歯科医院により費用が違います。使用する技工所や材料や歯科医師の技術により変化します。

3)インレー(ダイレクトボンディング):20,000円〜50,000円
自費のダイレクトボンディングは、ドクターのテクニックで費用が変わります。安ければ良いわけではないので、ドクター選びが重要となります。

保険診療は、1年目の歯科医師でも10年目の歯科医師でも、東京でも沖縄でも北海道でも行う治療により、費用は一律同じ金額となります。それに対して、保険外(自費)治療は、歯科医院もしくは歯科医師が、金額を設定することができますので価格が異なります。歯科医師の技術レベルや技工料など様々なことで金額が決定されます。そのため、安ければ良いというだけの判断は、避けましょう。

インレー(銀歯)を白くする際の注意事項

1.安いだけで判断してはいけません。白い歯を作るのは、歯科技工士で白い歯を治療するのは、歯科医師です。白い歯をメンテナンスするのは、歯科衛生士です。白い歯にやり変えて終わりではなく、それをずっと維持していくことも忘れないように歯科医院選びをしましょう。

2.インレーの場合、ほとんどが歯の神経が残っています。そのような場合、セラミック、コンポジットレジン、ダイレクトボンディング治療を行うと歯がしみたり、咬んで痛みや刺激がある場合があります。これは、神経の近いところまで削っていますので、一時的に起こる症状になります。時間とともに痛みが治まってきますが、稀に痛みがひどくなることがあります。その時は、歯科医院に連絡するようにしてください。

3.インレーは、部分的な詰め物です。クラウンに比べると強度的に弱い部分もあります。歯ぎしりや食いしばりがある患者さんは、就寝時はマウスピースの装着が必要となり、インレーだけではなくご自分の歯を守る必要があります。現在、歯ぎしりや食いしばりにより、歯に負担がかかり、年齢を重ねるに従い歯を失う人が、非常に増えています。

奥歯のクラウン(銀歯)を白くする方法

クラウン(銀歯)奥歯を白くするには、保険と自費診療があります。

クラウン(銀歯)を保険で白くするには、CAD/CAM冠(ハイブリッド削り出しクラウン)という方法があります。前歯から数えて、4番目、5番目の小臼歯に限られます。

クラウン(銀歯)を自費で白くするには、セラミッククラウンという方法があります。セラミッククラウンにも、様々種類があり、メタルボンド・ジルコニア・ジルコニアボンド・e-max・FCZなどがあります。

CAD/CAM冠とは?

2017年4月に保険でもいよいよ白いクラウンが前歯から数えて4番目・5番目に導入されました。材質は、ハイブリッドレジンブロックより削り出されたクラウンになります。

CAD/CAMとは、コンピューターにて、設計・デザインを行い、コンピューターを用いて加工・製作することを指します。

CAD/CAM冠は、施設への設置基準があり、どこの歯科医院でも行える治療ではありません。以下の設置基準が必要となります。

1、歯科補綴に係わる専門の知識および3年以上の経験を有する歯科医師が1名以上配置されていること。

2、保健医療機関内に歯科技工士が配置されていること。なお、歯科技工士がいない場合は、歯科技工所との連携が図られていること

3、保健医療機関内に歯科用CAD/CAM装置が設置されていること。なお、保健医療機関内に設置されていない場合は、当該装置を設置している歯科技工所との連携が図られていること

公益社団法人日本補綴歯科学会より引用

上記内容を満たしていない歯科医院では、CAD/CAM冠を導入していない場合がありますので、来院する前にCAD/CAM冠を行っているのか?お電話で確認するようにしましょう。

CAD/CAM冠の診療の流れ

■1日目
1.神経が残っている場合は、麻酔を行います。
2.歯を削ります。
3.型や咬み合わせをとります。
4.色をとります。
5.仮歯を作成します。

■2日目
1.仮歯を外します。
2.CAD/CAM冠の適合を確認します。
3.咬み合わせの調整をします。
4.CAD/CAM冠をつけます。

メタルボンドクラウンとは?

メタルボンドクラウンは、金属の上にセラミックをのせたかぶせ物になります。金属の上にセラミックですので、強度がありますが、金属アレルギーや歯肉への金属イオン着色などといったデメリットもあります。しかし、歯科業界では昔から用いられてきた材料ですので、使用されるドクターも多く、作製する歯科技工士さんも多いです。奥歯だけでなく前歯にもブリッジにも使用されるかぶせ物となります。

仕上がりは、歯科技工士の腕にもよりますが、非常にきれいで美しい被せ物となります。1つだけ問題点としては、金属で光を遮断しますので、透明感がでないという点です。他は、申し分のないかぶせ物です。

ジルコニアクラウンとは?

ジルコニアは、象が踏んでも割れないというくらい硬度が高い材料となります。硬すぎるというデメリットもあり、噛み合わせの歯を傷つけてしまう症状が起こったりもします。割れないというメリットもありますが、硬すぎるというデメリットもあり、「諸刃の剣」的なかぶせ物の一面もあります。

仕上がりは、単色であるために天然の歯のようには、いきませんが、奥歯であれば問題のないレベルです。

ジルコニアは、奥歯に用い、前歯には使用しませんので、奥歯で定期的な点検とクリーニングの際に咬み合わせの調整をされる患者さんにとっては、良いかぶせ物だと思います。

ジルコニアボンドクラウンとは?

ジルコニアボンドクラウンは、ジルコニアの上にセラミックをのせたかぶせ物になります。現在のかぶせ物中では、強度や見た目で他のかぶせ物をリードする位置にいます。ジルコニアとセラミックの組み合わせなので、一切金属を使用していません。金属アレルギーもなく金属イオンの着色で歯ぐきが黒くなったりすることもありません。

仕上がりは、非常に透明感があり天然の歯のように見えます。

e-maxとは?

セラミッククラウンの中では、比較的新しい材料になります。ジルコニアでは、硬すぎる。オールセラミックでは柔すぎるということで、e-maxの登場です。硬さが程よく加工をしやすいという特徴があります。奥歯では頼りないというドクターもいるので、前歯に多く用いられます。

天然の歯のように複雑な仕上がりは、難しいです。着色をしても経年的な劣化により、見た目は、そこまで維持できません。

セラミック(メタルボンド・ジルコニア・ジルコニアボンド・e-max・FCZ)診療の流れ

■1日目
1.神経が残っている場合は、麻酔を行います。
2.歯を削ります。
3.型や咬み合わせをとります。
4.色をとります。
5.仮歯を作成します。

■2日目
1.仮歯を外します。
2.歯肉と仮歯との状態を確認します。
3.咬み合わせの調整をします。
4.仮歯を戻します。

■3日目
1.仮歯を外します。
2.歯肉と仮歯との状態を確認します。
3.型や咬み合わせをとります。
4.色をとります。
5.仮歯を合わせて戻します。

■4日目
1.セラミッククラウンのの適合を確認します。
2.咬み合わせの調整をします。
3.セラミッククラウンをつけます。

自費のセラミッククラウンは、歯科医師の腕の見せ所です。すぐに削ってすぐにかぶせることを避けて、スピードよりも歯肉と咬み合わせがいかにマッチしたクラウンを作製するかが、目標となります。なので早ければ上手いという概念は、捨ててくださいね。間違った患者さんの認識です。

クラウン(銀歯)を白くする費用

クラウン(銀歯) CAD/CAM ジルコニアクラウン e-max ジルコニアボンドクラウン
保険or自費 保険 保険 自費 自費 自費
費用 約11,200円 80,000〜120,000円 50,000〜80,000円 80,000〜100,000円 120,000〜150,000円
見た目 悪い 普通 普通 良い 非常に良い
強度 強い 弱い 非常に強い 普通 強い
精度 悪い 普通 普通 良い 非常に良い
回数 2回 2回 平均4回 平均4回 平均4回

1.CAD/CAM冠:初診・検査約3,200円+コンポジットレジン(CR)約8,000円=約11,200円
2.メタルボンドクラウン:80,000〜120,000円
3.ジルコニアクラウン:50,000〜80,000円
4.e-max:80,000〜100,000円
5.ジルコニアボンドクラウン:120,000〜150,000円

クラウンは、高いなと思われる患者さんが多いと思います。なんで高いのか?これは、自費のクラウンは、全て歯科技工士による手作りになります。セラミックは、陶材と同じですので釜で焼き上げる工程を3回繰り返ます。1日で終わる作業ではありません。また、患者さんによって歯の色が違いますので、ひとりひとりの歯に合わせて微妙な調整を繰り返しながら製作します。そのため、セラミックの歯は高いんですね。

また、歯科技工士によっては、セラミックの歯を試適する際に、立会いをして、色や咬み合わせをチェックしたのちに完成させるこだわりを持った方もいらっしゃいます。

クラウン(銀歯)を白くする注意事項

1.歯科医院を選ぶ際は、回数や値段で判断してはいけません。仮歯の調整を行い、歯肉とのマッチングをこだわる歯科医師は、非常に良いセラミックを作製します。どのようにして見分けるのかは、患者さんにとっては難しいと思います。我々でもHPや口コミだけをみて判断するのは難しいです。やはり、紹介が1番確実かもしれません。

2.セラミッククラウンは、入れてからもメンテナンスが重要になります。かぶせ物は、人工物です!車と同じで、定期検査・洗車・修理が必要です。人工物ですので、一生ものではありません。もちろん、患者さんによっては、ご自宅でのブラッシングと歯科医院でのメンテナンスを繰り返されて、10年、20年、30年と健康な状態を維持されている方もいらっしゃいます。セラミックを入れて終わりではなく、入れてからがスタートです。

3.CAD/CAM冠は、強度的に問題がありますが、銀歯のギラつく色に比べたら、全然ましかと思います。日本人は、海外の人からなんでそんなに歯が汚いのか?と思われているそうです。確かにオリンピックに出る選手でも銀歯がギラつきながら表彰台に上ります。それを考えるとCAD/CAM冠で歯を白くしてあげたいな!と思います。また、現在は、小臼歯部のみですが、2018年4月には、いよいよ大臼歯部でも保険適用が始まるのではないかと情報が飛んでいますので、日本人の銀歯がギラつくのが相当減るのではないかと思います。

ABOUT ME
田中 健久
医療法人社団歯科タナカ 理事長・歯科医師 ネガティブな歯科医院のイメージを”おもてなしの心”で明るく、 元気に変えていく!