インプラント

インプラント名医が唱える仮歯が命ってどういうこと?

インプラント治療を受けた人の口コミを調べていると、

・なんでもっと早くインプラントをしなかったんだろう
・インプラントにして硬いものが噛めるようになったし、本当に良かった

という意見がある一方、

・インプラントにしたのは良いけど、やっぱり高かったなぁ…
・今、考えるとブリッジでも良かったのかもしれないと少し後悔している

などなど失敗したなという意見もあります。しかし、この良かった、失敗したという意見はどこで差が生まれたのでしょうか。やはり、歯科医の腕にかかっていると考えている人も多いとは思いますが、それに匹敵するぐらい大事と言われていることがあります。

それが仮歯です。仮歯はインプラントにおいて重要な役割を果たしているって知っていましたか。そんなインプラントにおける仮歯についてお話していきたいと思います。

①インプラントと仮歯の関係

 

では、インプラント治療の流れについてお話したいと思います。

歯科インプラントは3つの部品に分かれており、顎の中に埋め込むインプラント体、インプラントと人工歯を連結するアパットメント、そしてアパットメントの上に被せる人工歯と呼ばれる上部構造があります。まず、あごの骨の中にインプラント体を埋め込む手術が必要になってくるのですが、この時のあごの骨の状態によって治療期間に幅が出てきます。また、歯周病などがある場合はその治療から先に始めなくてはいけないし、インプラント体を埋め込む本数が多い場合も長くなってしまいます。

そして、骨とインプラントが結合する期間は平均的に2~6カ月待たなければなりません。では、この期間中、歯が無いまま過ごすことになるのかというとそういうわけではありません。多くの歯科医院ではインプラントを埋め込んだ場所の隣の歯を利用した仮歯や入れ歯を入れることで見た目的にも歯があるような状態になります。また、もしこの時にインプラント体と骨がしっかり結合したと判断されれば、その日に仮歯とインプラントを連結することができる場合もあります。どんな仮歯を入れたいかはその時の口腔内の状態によっても変わってくるし、クリニックの方針もあります。患者側としての希望もあると思いますので、治療を始める前に医師と相談しておくと良いでしょう。

そして、実はこの仮歯がインプラント治療において重要な役割を持っているんです。その役割については次のところで見ていきたいと思います。

②仮歯の役割とは?

 

まず、仮歯ですがテンポラリークラウンやプロビジョナルレストレーションと歯科用語では呼ばれています。この仮歯には以下のような役割があります。

・噛み合う歯や隣の歯が移動するのを防ぐ
歯は臨在歯がないと少しずつ移動してしまいます。それを予防するために仮歯を入れていきます。

・見た目を美しくできる
口を開けて笑った時に歯がなかったら、恥ずかしいと思う人もいますよね。しかし、仮歯を入れると見た目的には歯が入っている状態なので恥ずかしくありません。

・嚙み合わせやあごの状態を安定させる
実際に仮歯がないとかみ合わせが変わってしまったり、歯がないことで顎の状態が悪くなってしまう場合があります。それを仮歯で防ぐことができます。

・歯茎の状態を整える
型取りをして仮歯を入れなかった場合、歯茎の位置が変化してしまい、被せ物が入らないなんてこともあります。それを仮歯で防ぎます。

・食事をしやすくする
歯がないとどうしても噛みにくいし、食べ物を食べにくいですよね。仮歯を入れることで普段通りの食事をすることができます。

・本歯の形の確認
本歯を入れる前に、仮歯で調整していくのですが、歯の長さや形など仮歯を入れることで問題ないか確認していきます。そして、その形で問題ないか一時的に生活してもらい、最終的な本歯を入れていくことになります。

仮歯を口腔内の状態によって何度も繰り返し作成され、その時のお口の状態に合わせたものが入るようになっています。とくに人工歯作成の型取りをした後の仮歯は、これからずっと使っていく本歯の形にかなり近いものとなるので重要です。この仮歯をした後は、日常生活を送る上で支障がないかどうか確認していくためにも、見た目やブラッシング、発音、食事など何か問題がないかしっかりチェックしていきます。もし、少しでも変だなと思ったら医師に必ず報告しましょう。

また、仮歯を入れたまま治療を中断している人は要注意です。仮歯は、あくまでも仮歯であり、プラスチックで作られています。プラスチックはすり減りが早く、1か月もするとかみ合わせが変わってしまう場合もあるのです。その状態でさらに放置していくことにより、せっかく埋め込んだインプラントに力が加わることでインプラントが脱落してしまう恐れがあります。さらに、セラミックとは違い色素沈着も起こしやすいし、口臭の原因となってしまうので仮歯のままずっと過ごすのは止めましょう。

もし、どうしても仕事などの関係で治療をお休みせざるを得ない場合は、必ず医師に相談して下さい。

③仮歯を作る医院かどうか見分ける方法

 

インプラント治療を行う上で仮歯を作るかどうかはクリニックによって様々です。では、仮歯を作ってもらえるかどうか確認する方法とはどうしたら良いのでしょうか。

そこで、インターネットを使って口コミサイトを見るという人もいるかもしれませんが、口コミだけじゃ分からないことも多いですよね。そんな時におすすめなのが歯科医院で行っている無料カウンセリングです。多くの歯科医院では、インプラントにおける無料カウンセリングを行っています。もちろん無料なので費用がかかるわけでもないし、相談も自由です。

無料カウンセリングに行く事で、インプラントに対する悩みも解決するかもしれませんし、実際にどのような治療が行われるかきちんと説明してもらえるので安心感も生まれます。ただ、中にはどうしても無料カウンセリングに行くのを躊躇してしまう人もいますよね。

その理由の一つに「無料相談に行って、無理矢理契約させられるかもしれない」と思っている人もいるでしょう。確かにインプラントは高額商品になるので、歯科医院側としてもなんとかして契約をとろうと必死になっているかもしれません。そんな時はまず初めに「今日は話だけを聞きに来ました。契約するかどうかは一旦、家に持ち帰って決めさせていただきます。」と先に言ってしまうと良いでしょう。

他にも、「家族と相談して決めます。」と言ってしまえば、多くのクリニックではそれ以上突っ込んできません。また、正直に「ここまでお金がかかると思っていなかったので、一度持ち帰ります。」というのも良いでしょう。中には分割払いを勧めてくる歯科医院もあるかもしれませんが、そこは「ローンを組むのは苦手なので。」と言ってしまえばそれ以上何も言われなくなります。

とにかく、強引にインプラントの契約をとろうと営業してくるクリニックもあるかもしれませんが、一度持ち帰ることを基本的にはおすすめします。本当にソノクリニックが信頼できるのかどうか、また金額も治療内容も納得いくものか、高額だからこそ余計考えた方が良いです。間違っても、押しに負けてサインしてくるのは止めましょう。

④まとめ

 

以上、インプラントにおける仮歯との関係性や役割についてお話してきました。「本歯じゃないから関係ないでしょ」と思っていた人もこれを見て、仮歯の重要性を理解していただけたのではないでしょうか。

インプラント治療を成功させるためにも、仮歯はとっても重要です。是非、気になる歯科医院の無料カウンセリングに行ってみて相談してみてはいかがでしょうか。

ABOUT ME
田中 健久
医療法人社団歯科タナカ 理事長・歯科医師 ネガティブな歯科医院のイメージを”おもてなしの心”で明るく、 元気に変えていく!