All-on-4(オールオン4)は、歯がほとんどない方、総入れ歯の方、歯はあるけれど歯周病で歯がグラグラしている方に向けた治療になります。
しかし、All-on-4(オールオン4)というインプラントを用いた治療法は、あまり世間に知られておらず、不安も多く、なかなか治療に踏み切れずに悩まれている方も多いのではないでしょうか?
今回は、できるだけ解りやすく皆さんに、説明しますので、参考にしてみてください。
目次
- 1 1、All-on-4(オールオン4)とは?
- 2 2、All-on-4(オールオン4)の不安
- 2.1 2−1、費用をおさえることができるの?
- 2.2 2−2、手術当日に咬めるの?
- 2.3 2−3、歯肉を開く必要がないの?
- 2.4 2−4、天然の歯のように咬めるの?
- 2.5 2−5、手術は、痛くないの?
- 2.6 2−6、All-on-4(オールオン4)は、何回通うの?
- 2.7 2−7、All-on-4(オールオン4)の手術後は、腫れる?
- 2.8 2−8、All-on-4(オールオン4)は、高齢でもできるの?
- 2.9 2−9、完成後のメンテナンスは、難しいの?
- 2.10 2−10、All-on-4(オールオン4)は、どれくらいもつの・寿命は?
- 2.11 2−11、見た目は、入れ歯ってわからない?
- 2.12 2−12、All-on-4(オールオン4)って、嘔吐反射はあるの?
- 2.13 2−13、All-on-4(オールオン4)は、うまく喋れますか?
- 3 3、All-on-4(オールオン4)のメリット
- 4 4、All-on-4(オールオン4)のデメリット
- 5 5、All-on-4(オールオン4)費用
- 6 6、All-on-4(オールオン4)のメンテナンス
- 7 7、All-on-4(オールオン4)にまつわる費用
- 8 8、All-on-4(オールオン4)失敗
- 9 9、All-on-4(オールオン4)トラブル
- 10 10、All-on-4(オールオン4)医療費控除
- 11 まとめ
1、All-on-4(オールオン4)とは?
All-on-4(オールオン4)とは、オール(全ての歯)を4(4本のインプラントで)オン(支える)治療方法になります。
ポルトガルのDRパウロマロ先生により開発されました。
注意!全ての歯ですと14本になりますが、All-on-4(オールオン4)では、12本の歯を対象とします。
注意!4本ではなく、6本のインプラントで支えることを、All-on-6(オールオン6)オールオン6と呼びます。
通常の治療は、12本の歯を支えるには、8〜12本のインプラントが必要でしたが、オールオン4や6の治療方法が開発されたことにより、少ないインプラントで多くの歯を支えることができるようになりました。
また、手術を行なった日に、仮歯(入れ歯)をインプラントに固定することができますので、手術当日より、柔らかい食べ物であれば、食事することが可能です。
固定しますので、入れ歯のように取り外す必要はありません。
以前は、骨が薄くてインプラントを入れることができなかった方や骨移植が必要だと言われた方でも、インプラントを斜めに入れることにより、骨の移植を行なうことなく、奥歯まで支えることができます。
All-on-4(オールオン4)は、12本の歯を4本のインプラントで支え、見た目を80点回復し、かみ合わせの80点を回復することができます。
100点ではありませんが、歯を全く失ってしまった患者さんにとって、この80点という数値は、合格点ではないでしょうか?
80点だからといって、咬めないわけでもわけでもありません。
奥歯で咬み締めたいという希望がある患者さんは、別としまして、普通の食事であれば、何ら問題なく咬むことができます。
2、All-on-4(オールオン4)の不安
4本のインプラントで、上ものを支えるということがわかっても、他に様々な不安があると思います。
All-on-4(オールオン4)の治療費用は、高額ですし、手術を受けるというだけでも、ほとんどの患者さんは、大事です。
All-on-4(オールオン4)を受ける前に、よくある患者さんからの質問を説明しますので、参考にしてください。
2−1、費用をおさえることができるの?
10本インプラントを行なった場合、10×40万円+被せ物2本×10万円=420万円
オールオン4は、250万円ですので、ここで170万円の差が生まれます。
8本のインプラントを行なった場合、8×40万円+かぶせ物4本×10万円=360万円
オールオン4は、300万円ですので、ここで60万円の差が生まれます。オールオン4は、費用をおさえることができるメリットがあります。
医院によって価格は、変動しますので、こちらの費用は、一般的なインプラントの費用をもとに考えています。
2−2、手術当日に咬めるの?
初めに、インプラントを埋入する手術を行ないます。その後に仮歯固定に入ります。
手術当日よりある程度、咬めますが、あくまでも柔らかいものを、中心に食事を行なってもらいます。だいたい1ヶ月くらい経つと普通に食事をすることができます。
手術をした際に、インプラントが適度な力(トルク)で埋入されない場合は、仮歯を固定できない場合もあります。
手術当日より、いつものように食事ができるかと期待されるかもしれませんが、過度な期待を抱かない方が良いと思います。
2−3、歯肉を開く必要がないの?
歯肉を切開しないで行なう方法を「フラップレス」と専門用語で呼びます。
All-on-4(オールオン4)のオペで、全てにおいてフラップレスで歯肉を開かないで、最小限の手術で行なうことができれば良いのですが、骨が少ない場合に、骨を作る骨造成を行なう場合があります。
そのような場合は、歯肉を開く必要があります。
コンピューターの技術が進歩することにより、CT撮影したデータを用いて、インプラントをどのように埋入するのかを、手術の前にシュミレーションすることができます。
また、シュミレーション通りに、インプラントを埋入するガイドという装置も作製することができますので、以前のようにドクターの技術だけに頼る手術は、少なくなりました。
歯肉を開けないで、手術が行なえるケースは、非常に多くなったことは確かです。
患者さんのお口の状態により、歯肉を開くかどうかが決まりますので、主治医の先生に相談しましょう。
2−4、天然の歯のように咬めるの?
天然の歯にあって、インプラントにないモノは、歯根膜です。歯根膜とは、歯根の周りを囲む膜で、トランポリンのような役割があります。
天然の歯は、トランポリンがあるので、かむと少し沈むんですね。それに対して、インプラントは、歯根膜がありませんので沈みません。
そのため、天然の歯のようにかめる?というと少し語弊がありますので、「天然の歯に近いかみ心地」という表現がぴったりかもしれません。
天然の歯は、14本の歯が左右でありますが、All-on-4(オールオン4)の場合は、12本と2本少ない本数になります。
日本人は、食べ物を食べた後の食感を非常に大事にする文化があり、歯ごたえやかみごたえなどの言葉の表現もあることより、奥歯があるとないでは、感覚が違います。
All-on-4(オールオン4)は、奥歯が1本少ないので、日本人にとっては、少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。
しかし、歯周病でグラグラの歯や入れ歯に比べたら、全然かめますので、満足度は、非常に高いと思います。
2−5、手術は、痛くないの?
手術を行なう際は、浸潤麻酔や伝達麻酔を行ないますので、痛みを感じることは少ないです。
患者さんの手術後の感想を聞いてみると、痛みよりも音や振動が怖かったとおっしゃいます。
そのため、手術をする際に、麻酔の先生にいらしていただき、患者さんが眠っている間に手術を行なうIV(静脈内鎮静法)という方法を行なう時があります。
麻酔医の先生を呼びますので、その分の費用が発生しますが、相場は、5〜8万円くらいです。
麻酔医の先生が、血圧や脈などを管理しながら、眠くなるお薬を調整してくれますので、安心して手術を受けることができるのも1つの利点となります。
手術に関して、痛みなどの不安がある患者さんは、是非、IV(静脈内鎮静法)をオススメします。
2−6、All-on-4(オールオン4)は、何回通うの?
手術も含めて何回通うかは、皆さん気になるところだと思います。おおよその回数を、ここでお伝えします。
- 問診・診査・診断(レントゲン、型採り)
- 説明・手術準備
- 手術
- 消毒
- 抜糸
- 型採り
- かみ合わせ確認
- 見た目の確認
- フレームの確認
- 完成
- 調整
約10回で、完成に至ります。患者さんのお口の状態により、回数は変化しますので、詳しくは、主治医の先生に相談してみてください。
2−7、All-on-4(オールオン4)の手術後は、腫れる?
手術後の痛みや腫れに関しては、皆さん気になるところですね。手術後は、腫れる可能性が高いです。
昔は、腫れないように手術を行なうことが、上手い下手の判断となっておりましたが、現在、少しその考えが変わっています。
ある程度腫れないと治りが悪いことが解ってきました。
炎症性の反応があるので、腫れるのですが、炎症が起こらないと逆に治らないんですね。
腫れのピークは、術後48時間と言われています。
その後、1週間くらいでもとの状態に戻りますので、術後1週間は、大事なイベントやスケジュールをさけて、安静にするようにしましょう。
前述で、歯肉を開かない「フラップレス」という手術を紹介しました、この「フラップレス」の手術は、腫れが少ないです。
ただし、症例が限られますので、主治医の先生に相談してみてください。
2−8、All-on-4(オールオン4)は、高齢でもできるの?
高齢な患者様でも健康であれば、手術を行なうことは可能です。
高血圧、糖尿病、骨粗しょう症など全身疾患がある高齢な方は、手術ができない場合があります。
年齢に限らず、全身的な問題がある患者さんは、主治医の先生と良く相談しましょう。
2−9、完成後のメンテナンスは、難しいの?
完成後の自分でのメンテナンスは、その後のインプラントの予後を大きく左右します。
例えば、歯を失うに至った今までの歯ブラシ回数では、インプラントもダメになる可能性が高いです。
そのため、今まで以上に歯ブラシの回数や磨き方をマスターしてもらう必要があります。
歯ブラシよりは、歯間ブラシやウオーターピックなどを使用して、掃除を行いますので、ドクターや衛生士さんより、やり方を聞いてマスターしましょう。
完成後、毎日、毎日、使用しますので、定期検診で異常がないかをチェックする必要があります。
完成したら一生持つものではありません。世界中で壊れないと、人気のある日本製の車でも、車検でのメンテナンスは、重要です。
All-on-4(オールオン4)を行なった後に、定期検診で、メンテナンスを繰り返すことで、長く持たせることができます。
目安としては、3ヶ月に1回歯科医院でクリーニングやチェックを受けると何かあった時でも、対処しやすいです。
2−10、All-on-4(オールオン4)は、どれくらいもつの・寿命は?
インプラントと上もの(上部構造)を別けて考えましょう。
インプラントは、歯周病にならなければ生涯を通して、使用することができます。
歯周病にならないためにも定期検診や日頃の歯ブラシが重要となります。
上もの(上部構造)は、10年が目安でやり替えが必要です。
毎日毎日使用するものですので、徐々に着色や腐食が進み、かけたり、壊れたりすることがあります。
また、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりは、上もの(上部構造)にとって大敵となります。
寝ている時は、かむ力の制御ができませんので、強い力でギリギリと歯ぎしりや食いしばりを繰り返してしまうと、上ものが壊れてしまいます。
歯ぎしりや食いしばりのある方は、ナイトガードを装着して、就寝しましょう。
イメージとしては、タイヤみたいなものです。毎日車も走っていればタイヤがすり減ります。
10年くらいしたらタイヤを交換するようなイメージです。
2−11、見た目は、入れ歯ってわからない?
見た目は、歯を失って入れ歯を装着していた患者さんは、骨がなくなり歯肉が減っているので、その部分を補う入れ歯でいうピンクの部分が必要になります。
このピンクの部分が皆さん、入れ歯っぽくて嫌だと言われる時がありますが、見た目が入れ歯っぽくないかどうかは、ほとんどが、骨や歯肉があるかで決まってきます。
上ものの費用によっては、歯肉をリアルに仕上げることもできますので、主治医の先生と相談してみてください。
2−12、All-on-4(オールオン4)って、嘔吐反射はあるの?
嘔吐反射は、入れ歯などを装着した際に、「ウッ」と吐き気が出てしまう症状をさします。
入れ歯を入れても長い時間装着していることができない患者さんがいらっしゃいます。
安心してください、All-on-4(オールオン4)は、上あごを覆いませんので、嘔吐反射がある患者さんにとって最適な治療法となります。
2−13、All-on-4(オールオン4)は、うまく喋れますか?
手術を行ない、仮歯を装着します。入れ歯を装着されていた患者さんは、舌のスペースが狭くなったり、するとしゃべりにくいとおっしゃいます。
All-on-4(オールオン4)は、骨のある位置にインプラントを埋入しますので、少し内側に上ものの位置が設定される場合がありますので、舌のスペースが狭くなり、喋りにくくなることがあります。
また、入れ歯を装着していない期間が長い患者さんは、舌が肥大していることがあり、そのような場合は、うまく喋れない場合があります。
ほとんどのケースでは、時間と共に慣れて喋れるようになりますので、安心してください。
計画の段階で骨が吸収している場合は、喋りにくくなり傾向があることがわかりますので、前もって、お伝えすることがあります。
3、All-on-4(オールオン4)のメリット
- 治療費をおさえることができる。
- 取り外す必要がない。
- 骨の移植をしなくても良いことがある。
- 手術を行なった日に、仮歯(入れ歯)を固定できる。
- 歯肉を開く必要がない。
- 神経を損傷しない。
- 少ない本数で、仮歯(入れ歯)支えることができる。
- 高い成功率
- 骨の吸収をおさえることができる。
- 治療期間、回数が少なくなる。
- 嘔吐反射がない。
4、All-on-4(オールオン4)のデメリット
- 取り外すことができない。
- 歯を抜かなければならない。
- 発音をしづらい場合がある。
- 手術が必要である。
- 入れ歯よりもきちんとメンテナンスに通う必要がある。
- 14本ではなく、12本と2本少ない状態である。
- 行なう術者の高い技術が必要である。
5、All-on-4(オールオン4)費用
誰しもが費用に関して気になると思います。今回は、相場になりますが、インプラント治療は、保険外になりますので医院によって値段が変わります。
ドクターの技術やインプラントの種類や上ものの種類により費用が変わります。
また、費用がわかりにくく複雑な場合など、後から費用が追加になったりと、トラブルにならないように気をつけましょう。
医院を選ぶ際にも費用が明確でわかりやすい医院が良いですね。
5−1、All-on-4(オールオン4)費用相場
All-on-4(オールオン4)の費用相場は、200〜500万円です。上ものの種類で、値段が変わってきます。
All-on-4(オールオン4)料金
オペ料金150万円(術前診査、CT、IV(静脈内鎮静法)、サージガイド、インプラント、仮歯、薬)
上もの(上部構造)
- レジン(プラスティック)100万円
- ハブリッドレジン(強化プラスティック)150万円
- ジルコニアセラミック(強化セラミック)200万円
All-on-6(オールオン6)の費用相場は、250〜350万円です。同じく上もので、値段が変わります。
All-on-6(オールオン6)料金
オペ料金200万円(術前診査、CT、IV(静脈内鎮静法)、サージガイド、インプラント、仮歯、薬)
上もの(上部構造)
- レジン(プラスティック)150万円
- ハブリッドレジン(強化プラスティック)200万円
- ジルコニアセラミック(強化セラミック)250万円
他にかかる費用としては、骨造成が必要な場合は、別途費用がかかります。
また、仮歯を作り直す場合は、別途費用がかかります。約10から20万円の費用がかかります。
5−2、安いAll-on-4(オールオン4)
相場よりも安い200万円以下のAll-on-4(オールオン4)は、少し疑った方が、良いかもしれません。
疑いポイント1:その他に後から費用が発生する。仮歯代や上もの(上部構造)が後から請求される。
疑いポイント2:安いインプラントを用いている。ノーベルバイオケア、ストローマン、アストラ、3iなど世界基準のインプラントを用いていない。
疑いポイント3:上もの(上部構造)の歯が安い製品で、削れやすく壊れやすい。
6、All-on-4(オールオン4)のメンテナンス
All-on-4(オールオン4)は、インプラントで上ものを支えています。上ものは、セラミックであったり、プラスティックですので、研磨剤の入った市販の歯磨き粉を使用して磨くと傷がつき、着色がつきやすくなりますので注意が必要です。
歯肉と上もの(上部構造)の間に、食べ物が挟まったり、汚れが溜まりますので、この部分の掃除が重要となります。
歯間ブラシやウオーターピックを用いて、毎日きれいに汚れを落としてから、就寝されることをおすすめします。
All-on-4(オールオン4)は、セット後のメンテナンスが長持ちするか否かが決まりますので、非常にメンテナンスが重要になります。
メンテナンス費用は、1回8000円となります、各歯科医院によってよって違いますので、確認してください。
7、All-on-4(オールオン4)にまつわる費用
オールオン4にかかる費用の内訳を知っておきましょう。5−2の安いオールオン4でも、上述しましたが、料金の中になにが含まれているのかを確認しましょう。
- 診査・診断料
- レントゲン術前・術後(CT、パノラマ、デンタル)料
- サージカルガイド費用
- インプラント手術費用
- IV(静脈内鎮静法)料
- 仮歯費用
- 薬代
- 上もの(上部構造)費用
- 仮歯やり直し費用
- メンテナンス(定期検診)費用、こちらは、別途必要になる費用です。
費用の中に含まれておらず、後で、請求というパターンにならないようにしましょう。
8、All-on-4(オールオン4)失敗
医療において100%はありませんが、できるだけ100に近い方が、良いに決まっています。
成功ばかりではなく、失敗することもあることを認識しましょう。
オールオン4は、インプラントを埋入する本数が4本ですので、簡単いえば4脚の椅子と同じです。
どこか1本に力が加わった場合に、脚が折れてしまうと機能しなくなります。
All-on-6(オールオン6)は、6本ですので、1本脚が折れても機能します。機能している間に修理もできます。
この点では、失敗しても安心なオールオン6がオススメになります。
メンテナンス不足、All-on-4(オールオン4)を行なう人は、今まで何かしらの日々の歯ブラシ不足や虫歯や歯周病や歯ぎしり・食いしばりにより、歯を失ってしまった方が、ほとんどです。
All-on-4(オールオン4)が完成後に、同じような歯ブラシ回数や時間だと、インプラントが歯周病になり、失ってしまう可能性が高いです。
3ヶ月に1度の定期検診とご自分での歯ブラシ回数や時間をきちんと見直す必要があります。
All-on-4(オールオン4)の天敵は、歯ぎしり・食いしばりです。
現代の8割以上の人が、夜寝ている間に歯ぎしり、食いしばりをしていると言われています。
寝ている間は、起きているときと違い、力の制御ができません。
奥歯ですと体重の1.5倍の力が、加わります。体重60キロなら90キロの力が、歯1本に加わります。
朝起きたら上もの(上部構造)の歯が取れていたり、割れていた場合は、ほとんど歯ぎしり・食いしばりが原因です。
また、インプラントを入れたばかりの時は、骨との結合が弱いため、そんな時に歯ぎしり・食いしばりをしてしまうと、インプラントが強固に骨と結合する前に脱落してしまう原因となります。
手術を行なって1〜2ヶ月は、硬いものをさけできるだけ柔らかいものを中心に食事を行ないましょう。
9、All-on-4(オールオン4)トラブル
All-on-4(オールオン4)を行なった後のトラブルで多いのは、インプラントへの負担加重になります。
行なった後にこれぐらいは、大丈夫だろう!ナイトガードはしなくても大丈夫だろう!これが、命取りになることがあります。
今まで12本の歯で支えていた状態から4本のインプラントで支えるので、橋げたが、少なくなっているのは、確かです。
橋げたが少なくなっている状態で、大震災並みの歯ぎしりや硬い食べ物を咬む力が、特定のインプラントに加わった場合、インプラントと骨の結合がなくなり、脱落してしまう場合があります。
歯ぎしりに関しては、1本の歯に体重の1.5倍の力が加わると言われていますので、60キロであれば90キの力が加わります。
ナイトガードの装着と定期的検診において、咬み合わせの調整が必要になります。
インプラントのトラブルにおいて、多いのが術後の感染になります。
術後感染の原因としては、口腔内の細菌数が多い場合に起こります。
インプラントを受ける前より、日頃の歯ブラシを徹底して、今までの歯ブラシ以上に丁寧に行い、お口の中の細菌数を減らす必要があります。
術後も同じですが、手術をしたところ以外に関しては、毎食後きれいにクリーニングとうがいを行なって、清潔に保ちましょう。糖尿病の患者さんは、細菌感染しやすいので、より一層、注意が必要です。
医院から指示を受けた薬を最後まで飲み切りましょう。痛みが消えたから、腫れが引いたから、薬を飲むのを止めるのではなく、最後まで指示された通りに飲みましょう。
10、All-on-4(オールオン4)医療費控除
All-on-4(オールオン4)は、医療費控除の対象となります。
具体的に医療費控除を申請する際の知識を箇条書にしますので、参考にしてください。
- 医院に通院する際の公共機関の交通費(タクシー代除く)
- 年間10万円以上〜200万円の医療費に関して、控除の申請ができます。
- 1月1日〜12月31日までの1年間に支払った医療費となります。
- 必ず歯科医院でもらった領収書をとっておいてください。悪用するケースがありますので、医院にて再発行は、行なっていません。
- デンタルローンなどを利用した場合の医療費控除は、年間に支払った金額が医療費控除できます。デンタルローンを利用した場合は、歯科医院で領収書の発行は、行なわれませんので、デンタルローンの契約書や信販会社の領収書を準備する必要があります。
- 以前の領収書を申請できますか?
はい、5年前までさかのぼって、申請することができますので、領収書は大切に保管してください。 - 医療費控除は、どこで行なうのですか?
各地域の税務署にて行なうことができます。準備物は、確定申告書・領収書・明細書・源泉徴収票の4点を準備してください。期間は、1月1日以降となります。
詳しくは、国税庁のホームページを参考にしてください。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1128.htm
まとめ
All-on-4(オールオン4)は、行なった後、生涯を通してメンテナンスに通うことになります。
ドクター・歯科医院との信頼関係が、非常に重要になります。
患者さんにあった歯科医院選びを行ない、生涯を通して通える歯科医院かを判断する必要があります。
つまり、手術を行なって、上もの(上部構造)ができてからの方が、長い付き合いになるわけです。
ドクターの腕もさることながら、患者さんとドクターの相性も重要です。自分が信頼できる歯科医院を探しましょう。
オールオン4を、行なった後は、日々の歯ブラシやクリーニングが、その後の持ちを決めますので、今までと同じ歯ブラシではなく、これまで以上にお口の中をきれいにしましょう。