歯が痛む時の衝撃ってとてつもないですよね。
キーーーーーーンと痛む
なんて言ったらいいか分からないあの痛み。
頭の先の髪の毛の先まで電流が走るような
あの痛みです。
夏にアイスやシャーベットを食べて感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
原因は一概には言えませんが、往々にして知覚過敏か虫歯であることが多いです。
そもそも知覚過敏って何?
という方は必見です。
あなたの疑問、すべて解決してみせます。
目次
1. そもそも知覚過敏って何?
知覚過敏と虫歯の違いも分からないという方も多いと思います。
「知覚過敏=虫歯」ではありません。知覚過敏は歯の構造上、凍みやすくなっているだけなのです。
症状としては、冷たいものを飲んだり食べたりした時に凍みる、風が凍みる、歯ブラシを当てた時に凍みる、といったことがあります。
1−1. 知覚過敏の本性
テレビのCMなどで言われている知覚過敏というものは。正式には「象牙質知覚過敏症」という名前があります。
漢字がたくさんあって難しい!もっと意味がわからない!と感じられる方も多いかもしれませんが、紐解いていけば簡単に理解できます。
そもそも、歯というものは表面にエナメル質、次の層に象牙質、その中に歯の神経(歯髄)の3層構造になっているのです。
1−2. 歯の組織の役割
歯の構造としてそれぞれに役割があります。
エナメル質は自分の体の中で一番硬い組織です。骨よりも硬いんです。
エナメル質は口の中に入ってきた刺激(例えば、冷たい物、温かいもの、硬いものを食べること)から歯を守る役割があります。
象牙質は逆に口の中に入ってきた刺激を、歯髄に伝える役割があります。
その刺激を歯髄が脳に伝えて、痛い!と反応するのです。
1−3. 象牙質を理解しよう!
勘が鋭い方は、ここでピンときているかもしれませんね。
つまりエナメル質で覆われて守られていたはずの象牙質が、口の中に露出してしまうと、少しの刺激でも歯髄に伝わってしまって、痛い!と感じることになるのです。
象牙質の表面はレンコンのように穴がたくさん開いていて、その穴は歯髄まで繋がっています。
この穴から繋がる管を象牙細管といいます。
象牙細管を刺激が伝わって歯髄へと一直線な訳なんです。
なんとなく想像するだけでもピリピリ凍みてきそうですね。
1−4. エナメル質に守られてない象牙質って?
お口を開けて見える歯の部分はだいたいがエナメル質です。
ということはその内側には象牙質があるということです。
しかし、先ほどの図にもありましたが、エナメル質はお口を開けて見える部分にしかありません。
つまり、歯周病や噛み合わせの関係で歯茎が下がってしまったり、エナメル質の一部分が欠けてしまったりすり減ってしまうと、象牙質の表面がお口の中に露出してくることになります。
そうすると、刺激が象牙細管を通って歯髄へと伝わりやすくなってしまうのです。
1−5. つまり知覚過敏の原因は!?
そう。前述しましたが、歯周病や噛み合わせの関係が特に原因となることが多いです。
その他にも歯ブラシを硬いものを使っていて、ブラッシング圧が強い人は歯茎が下がってしまったり、細かい亀裂の入ったエナメル質をブラッシングで削ぎ落としてしまうことが考えられます。
2. 知覚過敏の治療方法
知覚過敏は原因さえ分かれば対応することはできます。
ただ、原因が歯周病からなるものであった時に、歯周病治療を行うことでさらに歯茎が下がる(正確に言うと、歯茎が治療によって引き締まる)ことがあります。
その場合、凍みていなかったところまで凍みてくることもあるので、そのような時は担当の歯科医師、歯科衛生士にしっかりと説明を受けましょう。
2−1. コーティング材
象牙質の表面にコーティング材を塗ることで物理的に象牙細管を塞ぐ方法です。
比較的、即効性が高いと思われます。
方法としても一般的に行なわれている方法です。
2−2. レジン充填
前歯の虫歯治療などで用いるコンポジットレジンというプラスチック状の歯科材料があります。
エナメル質の欠けが大きい場合に用いることが多いです。
こちらも比較的即効性は高く、一般的に用いられる方法です。
2−3. レーザー治療
レーザー治療においては、レーザー自体がない歯科医院も多いですし、知覚過敏に対してレーザー治療が効果的であるかどうかは微妙なところです。
レーザーを当ててもらったけど・・・という経験がある方もいらっしゃるかと思います。
即効性はないと思いますし、何度か通ってレーザーを当ててもらうことで効果が見られるものだと思います。
もし、知覚過敏の治療を受けるために歯科医院に行った時にレーザー治療を勧められた場合、きちんとした説明を受けてからにしましょう。
レーザー治療を行っている歯科医院では、レーザー治療は保険外診療のこともあります。
2−4. 歯磨剤
最近、テレビのCMでもありますが知覚過敏用歯磨き粉も効果はあります。
しかし、即効性はないと思います。
方法としては、普通に歯磨き粉として使っていただく方法と、歯磨きが終わってうがいをした後に薬を塗布する要領で凍みるところに塗っておくと薬が歯面に浸透していきます。
2−4−1.知覚過敏用歯磨剤の特徴
知覚過敏用歯磨剤には「硝酸カリウム」と「乳酸アルミニウム」という成分が含まれています。
硝酸カリウムは神経鈍磨作用があり、象牙細管から浸透した後、過敏に反応していた神経を鈍らせて痛みを感じにくくする働きがあります。
乳酸アルミニウムは細管封鎖作用があり、刺激が伝わっていた象牙細管を乳酸アルミニウムが封鎖することで、痛みを感じにくくしてくれます。
2−4−2.知覚過敏用歯磨剤の紹介
今、知覚過敏用歯磨剤は色々な種類のものが発売されています。
では、自分にあった歯磨き粉選びをお助けいたします!
口の中というのも人それぞれですから、自分の口の環境にあったものを使いましょう!
とにかく知覚過敏が辛い!
ライオン デントヘルス薬用ハミガキ しみるブロック
知覚過敏の成分が高濃度配合されており、しかも高密着処方により歯ぐきに溜まることで、より高い効果が期待できます。
歯周病からの知覚過敏に!
第一三共ヘルスケア クリーンデンタルセンシティブ
知覚過敏に効果のある硝酸カリウムを配合し、なおかつ3種類の殺菌成分と2種類の消炎成分を配合しています。
歯槽膿漏、歯肉炎の予防を促しつつ知覚過敏に対する効果も期待できます。
着色汚れも落としたい!
松風 メルサージュ ヒスケア ソフトミント
硝酸カリウム、乳酸アルミニウムをダブル配合し、知覚過敏を抑えつつ、フッ素を900ppm配合することで歯を強くする効果もあります。
また、薬用成分のマクロゴール400がヤニやステインを落とす効果もありますので歯の表面をツルツルに仕上げてくれます。
知覚過敏を予防しながら、ホワイトニングの効果も期待できます!
2−5. フッ素塗布
フッ素を歯面に塗布する方法も即効性はないと思います。
治療方法の一つと考えていただければと思います。
2−6. 抜髄
知覚過敏であっても、症状が大きすぎる場合は、神経を取る治療(抜髄処置)を行うこともあります。
症状が大きいという状態は、一度凍みると1分くらい痛い、温かいものも凍みてくるなど。また、何もしなくてもズキズキ痛む状態も抜髄処置を行わなくてはなりません。
しかし、歯科治療というのは基本的に後戻りが可能な処置(例えば知覚過敏であれば、コーティング材や歯磨剤など)の処置を優先して行い、それでもまだ痛むといった場合に、歯を削ったり神経を取る処置を行っていきます。
まとめ
知覚過敏というのは、虫歯とは違うということがお分かりいただけたでしょうか。
「私も冷たいものが凍みる!知覚過敏かしら!?」と思ったら単純に虫歯だったということもあると思います。
また、かき氷やアイスクリームを食べると歯が凍みる!というのも、ある程度は普通だと思います。
冷たい食べ物は歯に凍みるものです。
いつもよりも凍みてきた、痛みが強いなど感じるようでしたら是非、歯科医院を受診してみてください。