歯の神経を抜くってどういうこと?歯の根の治療でお困りの皆さんへ。

歯医者に行ったら、先生に「根の治療をしないといけませんね・・・。」と突然の宣告を受けたことはありませんか?

根の治療?何ですかそれ?何するんですか?

頭の中は???だけど、先生は決まったように準備を進めて「じゃあ、始めますね。」と言われてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ここでは、根の治療(神経治療)とはどういうものなのか?どういう治療を行っているのか?全てお教えいたします!

1、根の治療って何?

歯の構造では、口を開けた時に見える部分を歯の頭、歯を支えるために骨と接している部分を歯の根と言います。

詳しくは、歯の頭の部分を歯冠部、歯の根の部分を歯根部と言います。

この根の部分には歯の神経(歯髄)があり、この神経を取る治療、神経のあった部分をキレイにする治療のことを、俗に「根の治療」と言います。

1−1、根の治療の必要性は2つに分けられる!

根の治療を行う時に、その必要性は2つに分けられます。

1つは神経そのものが痛みを出している場合。これを歯髄炎といいます。

もう1つは、根の先や分岐している部分に炎症が生じてしまった場合。

これを根尖性歯周炎といいます。

この2つの状態が見られる場合には根の治療が必要です。

1−2、どうやって2つの状態を見分けるの?

1−1の状態を分けるポイントは、歯の神経が「生きているのか、死んでいるのか」もしくは、神経が「有るのか、無いのか」です。

歯の神経が生きている、有る場合には、歯髄炎。神経が死んでいる、無い場合には、根尖性歯周炎と分類されます。

ただ、行う治療方法には大きく違いはありません。

もちろん専門的には異なりますが、ひとくくりに「根の治療を行う」ということで言うと大きく違いは無いということです。

1−3、根の治療が必要になる時の症状は?

2つの状態は症状も異なります。

歯髄炎

  1. 冷たいものがズキズキ痛む
  2. 温かいものがズキズキ痛む
  3. 噛んだら痛む
  4. 何もしなくても痛む

根尖性歯周炎

  1. 噛んだら痛む
  2. 何もしなくても痛む
  3. 歯茎が腫れている
  4. 歯が浮いたような感じがする
  5. 疲れた時や風邪をひくと痛む

2−1、歯髄炎になる時は?

歯髄炎になる時は、様々な状態があります。

  1. 虫歯が大きくなってしまった時
  2. 極度に知覚過敏が進行してしまった時
  3. 歯が欠けたり、割れたりして、歯髄にまで達してしまった時

このような場合には、歯髄炎となり、痛みを取るために神経を取り除く根の治療が必要になります。

2−2、根尖性歯周炎になる時は?

根尖性歯周炎になる時は、根の中に感染が生じることで起こります。

この感染が生じる原因やタイミングは様々です。

  1. 根の治療中の感染
  2. 治療終了後の詰め物、被せ物の隙間からの感染
  3. 噛み合わせが強い、もしくは歯ぎしり、くいしばりが強すぎて歯の神経が死んでしまった時
  4. 極度の歯周病で根の先まで歯周病が達してしまった時

根尖性歯周炎に関しては、感染を起こしていても何も症状がないこともあります。そのような場合、必ずしも治療が必要になるということではありません。

症状の有無や、前回治療を行った時期などを参考に決定いたします。

3、治療の工程

根の治療は1回や2回の治療では終わりません。

通常、根の治療だけで4〜5回はかかります。

また、根尖性歯周炎では感染を除去しきるのが困難だったり、根の形態が複雑だったりすると治療は長くかかります。

ここでは、奥歯の虫歯が大きくなってしまった場合の根の治療を例にご説明したいと思います

3−1、1回目

一回目の治療は、痛みが強くて歯科医院に行くところからスタートです。

まずは、どのような症状なのかを伝えてレントゲンを撮ります。

レントゲンに写った虫歯が歯の神経にまで達してしまっているようでしたら根の治療が必要です。

しっかりと麻酔をかけて、治療中に痛みが出ないようにしてから治療を開始します。

中には、痛みが激しすぎて麻酔が効きにくくなってしまっている場合もあります。症状が大きいほど麻酔は効きづらいです。

麻酔が効いたら虫歯を全て除去します。

虫歯を残したまま根の治療を続けると、虫歯菌が根の管を伝って根の先まで行ってしまいます。

これが感染の原因になり、根尖性歯周炎へと繋がるため、最初に虫歯を全て取る必要があります。

虫歯を取りきって、歯の神経が見えたらそこに神経の炎症を鎮める薬を置いて、仮の蓋をします。

これで1回目は終了です。

ここまでやると痛みも取れていきます。

3−2、2回目

2回目の治療は根の治療の続きです。

1回目で根の神経を取りきっているわけではないので、麻酔は必要です。

根の治療を行う場合、基本麻酔を行ってから治療をする方が痛みもなく進められますので安心かと思います。

1回目で最後に行った仮の蓋を除去し、治療をスタートします。

残っている神経を除去し、根の管をキレイにしていく器具は、針金のように細いものです。これを「ファイル」と言います。

ファイルは長さや太さ、形態など様々なものがあり、根の中をキレイにしていきます。

根の長さを測るためにレントゲンを用いることもありますし、EMRと言う電気的根管長測定器を用いる事もあります。

現在はEMRが主流です。

3−3、3回目

3回目の治療で大体の根の治療を終えていきます。

奥歯の根の治療であれば、管の数が3本から4本と多く、回数が多い事もあります。

また器具を挿入することも難しかったり、口が開きにくい患者様の場合など難しいケースが重なると、治療スピードにも反映してきます。

3回目の治療で根の管の中をキレイな状態にし、次亜塩素酸などの薬剤を用いて洗浄を行っていきます。

3−4、4回目

根の管がキレイな状態になったら、最後に樹脂状の薬を詰めます。

詰める目的としては、管の中が空洞になっているところで感染の原因となる細菌が繁殖してしまわないようにするためです。

より緊密に詰めることで、細菌繁殖を抑えることにつながります。

この薬を詰めた後には、薬の詰まり具合をレントゲンで確認して、問題がなければ根の治療を終了します。

3−5、根の治療終了

根の治療が終了したら、その歯の噛み合わせを作らなくてはいけませんので、まだ治療は続きます。

しっかり噛めるようになるまで治さずに、治療を途中で終えてしまう方もいらっしゃいますので、もう一息ですので頑張って通ってください。

工程としては、歯に土台を立て、被せ物をするところまでが一連の治療の流れになります。

4、根の治療Q&A

ここまで根の治療についてご説明してきましたが、口の中で行われていることについては、患者様にとっては謎だらけだと思います。

ここまで説明してきたこと以外のことをご説明します。

4−1、根の治療に通う間隔は?

根の治療には1週間に一度、せめて2週間に一度は通うようにしてください。

それ以上、間隔が空いてしまう場合は歯科医師にご相談ください。

なぜ、そのようにこまめに通わなくてはいけないかと言うと、治療後に行う仮の蓋の小さな隙間から唾液が侵入してきてしまうからです。

唾液が入ると根の中は感染してしまいます。

4−2、根の中を感染させる原因は?

感染の原因となるのは、すべては口の中に住んでいる細菌です。

口の中は細菌だらけですので、その細菌が根の中に入り込むことで感染が生じてしまいます。

細菌は唾液に乗って入り込んできます。つまり、根の中に唾液が入ってしまってはいけないのです。

根の中に入った細菌を死滅させ、滅菌状態にすることは不可能です。

洗浄を行うことで細菌数を減らすことはできますが、そこまでです。

その細菌が繁殖することで炎症が生じます。

4−3、根の感染を防ぐ方法は?

治療中の感染を防ぐ方法は一つです。

それは「ラバーダム」という器具を使って行うことです。

ラバーダムとは、ゴムのシートを歯に引っ掛けて、治療を行う歯を孤立化することで唾液が根の中に入り込むことを防ぎます。

ラバーダムはそれ以外に、洗浄液が口腔内に漏れ出ることを防いだり、ファイルの器具が口腔内に落ちて飲み込んでしまう誤飲防止にもなります。

ただ、長い時間、口を開けられない方や、鼻炎の症状があり鼻呼吸ができない方には用いることができません。

4−4、根の感染を防ぐために自分ができることは?

仮の蓋の小さな隙間を狙って細菌は入り込んでいきます。

仮の蓋は次回治療時に外れるようにつけますので、強力ではありません。

ですので、治療後、欠けてしまうことがあります。

ここで自分ができることは、治療期間中は極力固いものは食べないことです。

また、仮の蓋が固まるまで時間がかかるので、治療終了後30分程度はご飲食を控えるようにしてください。

あとは、先述しましたがコンスタントに病院に通うことです。

4−5、歯が痛くなった時に自分でできる応急処置は?

まずは痛み止めです。

市販のもので、ロキソニンSやイブ、バファリンなどありますが、どれでも構いません。

歯のための痛み止めというものはありませんので、どれも同じです。

ただ、感染が原因となる根尖性歯周炎で痛みが出ている場合には、痛み止めと同時に抗生物質を服用する必要があります。

どのような状態であっても、薬は対症療法でしかなく、原因を絶ったわけではありません。早めに歯科医院を受診してください。

また、薬に関しては体に合う、合わないがありますので、濫用しないようにした方がいいです。

4−6、根の治療を行うデメリットは?

根の治療を行うにあたり、歯にとってデメリットもあります。

歯の神経がある状態では、無菌状態ですが、感染する機会ができてしまうしまうことです。

また、神経と一緒に血管も取り除くことになりますので、歯の中は乾燥状態になってしまいます。

すると、歯はもろくなり、歯が欠けたり割れたりしやすくなってしまいます。

根の治療を行うということは、歯の抜歯に少なからず近づいていくことになります。

その歯を、あと何年保たせたいのかも考える必要があります。

ただ、痛みには変えられませんので、根の治療を行わなければいけない時はあります。

そのままにしておくと、感染が生じてしまい、結局悪化を招く結果になってしまいます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

根の治療は歯科の治療の中でも、かなり細かい治療で、根の先までは見えない中、盲目的に行われることが多いです。

特に、奥歯になればなるほど難しいです。根の形態も複雑になります。

歯にとって一番いいことは、とどのつまり、虫歯にならないようにすることです。