Allon4 オールオン4

オールオン4を行う前に知っておきたい7つのこと

オールオン4を行う前に知っておきたい7つのこと

こんにちは、ホワイトエッセンス渋谷:歯科医師の田中健久です。

歯がない方・もしくはほとんどの歯を失ってしまう方へ行うオールオン4(ALLon4)という治療方法がありますが、非常に高額な治療費がかかるので、行う前に色々と知っておきたいと患者さんは思うかもしれません。

今回は、「オールオン4を行う前に知っておきたい7つのこと」と題して、行う前に知っておきたい内容を説明したいと思います。

手術を行ったその日に入れ歯を固定できない時もあります。

オールオン4を行う前に知っておきたい7つのことオールオン4は、手術した当日に入れ歯を固定できると謳っている場合が多いですが、手術当日に入れ歯を固定することができない場合もあります。

1、骨が柔らかすぎる場合

2、骨がCTで診たよりも少なすぎる場合

3、インプラントが骨に固定できない場合

いずれも、想定外のケースで固定することができない事があります。これにより入れ歯を手術当日に固定できないことがあります。もちろん、その後にインプラントと骨が結合してから固定することは可能ですがケースにもよりますが、2〜6ヶ月かかる場合があります。その場合、入れ歯を使用してもらう事があります。

ドクターも何とかして固定してあげたいという気持ちは、ありますが、100%固定する事ができるというわけではないことを、患者さんも理解されておいたほうが良いかと思います。

天然の歯は7番目まで、オールオン4は6番目までの歯で短い歯のアーチになります。

オールオン4を行う前に知っておきたい7つのことオールオン4は、写真でいう赤丸の部分に歯がありません。天然の歯は、赤丸の部分まで歯があります。欧米の人は、もともとステーキや肉中心の食事が多いので、前から数えて6番までの短縮歯列でも問題ない場合が多いですが、日本人は、米が中心で美味しさの表現が非常に豊かです。例えば、「歯ごたえ」です。このような表現は、欧米にはありません。そのため、食事をした際に天然の歯と違うとおっしゃる方がいらっしゃいます。

なんか食べ物を食べても前と違うんだよねとおっしゃる方がいます。歯も1本分短いですし、天然の歯のように歯の周りに歯根膜と呼ばれるトランポリンの役目を果たすクッションもありませんので、やはり、天然の歯と全く同じとはいかないようです。

上部構造は、10年くらいで作り変えが必要です。一生涯持つものではありません。

オールオン4を行う前に知っておきたい7つのこと上部構造(入れ歯の部分)は、一生ものではありません。患者さんによっては、完成したらもう、歯科医院に行かないで良いと思われている患者さんも非常に多いです。

いえいえそんなことはありません。インプラントは、虫歯になりませんが、歯周病になります。そう!定期検診が重要なんです。

上部構造(入れ歯の部分)は、タイヤだと思ってください。毎日、毎日、食べ物を食べればそれはどんな素材であったとしてもすり減っていきます。そう!車のタイヤと同じです。すり減ったら交換が必要です。交換の時期は、だいたいですが10年くらいになります。

入れ歯と違い、鼻の下の膨らみはつくれません。

入れ歯は、歯茎のなくなった部分も覆う事ができます。しかし、オールオン4は、清掃性も含めて、ほっぺ側の歯茎を覆わない事が多く、少し凹んだような気がすると患者さんはおっしゃいます。これは、ドクターからすれば想定内な事でこの膨らみの部分は、入れ歯でしか再現できない部分で、オールオン4の場合は、ここまで覆うことで逆に清掃性が悪くなり、インプラントが歯周病になりやすくなるので、要注意となります。

オールオン4は、発音がしにくい場合があります。

オールオン4を行う前に知っておきたい7つのこと入れ歯に比べたら上アゴがプラスティックで覆われていないので、全然、喋りやすいとおっしゃる患者さんが多いのですが、入れ歯ではなく歯周病などで多くの歯を失ったという入れ歯の経験がない方は、しゃべりづらくなったとおっしゃいます。確かに天然の歯に比べればお口の中が狭く感じるかもしれません。

そのため、歌を歌ったり、大きな声を出す際に、違和感を訴える患者さんも確かにいます。

オールオン4は、手術後1ヶ月は柔らかいものしか食べられません。

オールオン4を行う前に知っておきたい7つのことインプラントは、ネジです。そのネジを骨に食いこますように入れて初めは、入れ歯を固定します。ところがその食い込ませたネジは、だんだんに緩み始めて、今度は、骨とインプラントの結合が始まります。それには、およそ1ヶ月かかります。つまり、手術を行い初めの1ヶ月はインプラントと骨は結合しておらず、食い込んでいるだけですので、その間に、硬いものをどんどん食べてしまうと、骨とインプラントが結合する前にインプラントが緩んでしまい脱落するという仕組みになります。

では、どれくらいの固さの食事なら良いのですか?と質問を受けますので、私は、お寿司のマグロより固いものは、食べないでくださいと患者さんに伝えます。患者さんは、入れ歯を固定することで急に食べやすくなりますので、どんどん固いものへ挑戦するようになります。またそれまで入れ歯などで衰えていた筋肉も復活しますので、これが、大問題になってきます。

手術を受けてから1ヶ月は、柔らかい食べ物を中心に食事をすることを忘れないでください。

歯ぎしりをする方は、オールオン4の上部構造が壊れます。

オールオン4を行う前に知っておきたい7つのこと歯ぎしり・食いしばりですが、意外に皆さんは、ご自分が歯ぎしり・食いしばりをしていることに気づかない人が多いです。

歯ぎしり・食いしばりは、寝ている際に、知らず知らずのうちに行っている場合が多く、それがひどい人は音がなったり、歯周病を助長するわけです。

起きている際に、歯ぎしり・食いしばりをされる方はほとんどいません。それよりも、オールオン4の上部構造(入れ歯の部分)を歯ぎしりで壊してしまう患者さんがいらっしゃいますので、普段から歯ぎしり・食いしばりを指摘されている方は、ドクターに必ず伝えるようにしましょう。

まとめ

今回は「オールオン4を行う前に知っておきたい7つのこと」というテーマで書かせていただきましたがが、参考になりましたでしょうか。他にも「ALL-on-4(オールオンフォー)って入れ歯?インプラント?どんな治療?」では解説動画も掲載しておりますので、併せて参考にして頂ければと思います。

 

ABOUT ME
田中 健久
医療法人社団歯科タナカ 理事長・歯科医師 ネガティブな歯科医院のイメージを”おもてなしの心”で明るく、 元気に変えていく!